今更ながらこちらの本を読みまして、自分自身への備忘録的なエントリーをつくってみようかと思いつきました
なお、文中に現れてくる写真たちは、文章とは一切関係のない、先週頂いたエネルギー源達のメモなので、特に深い意味はないものとして流し見していただければ幸いです
まず「現象」と「理論」の定義づけから分厚い(らしい[自分はKINDLEで読んだので、その厚さを実感していない])この本は始まります
自分の語彙と結びつけると帰納的アプローチと演繹的アプローチ、と置き換えてひとまず理解して、間違っていてもどうでもいいやと思いつつページを進めます
「理論」が目指すのは経営・ビジネスの「how(因果関係),when(当てはまる対象), why(因果関係のメカニズム)」を明らかにすることらしく、「科学」というからには「再現可能性」と「反証可能性」がなければならない、という命題を抑えることを忘れません
更に、「経営学」が孤立(とは書いていないが)している学問領域ではなく、「経済学」「心理学」「社会学」という3つの学問領域の知見と繋がっているということを明らかにします
特に、「経済学=合理的」「心理学=限定された合理性」という切り分け方は、「アナログ&デジタル」「暗黙知&形式知」という、陰陽思想的ペアリングとフィットし、原理主義的言動に危うさを感じる自称”実務家”としては、我が意を得たり、と、冒頭の方で思ってしまいます、さすが著者・同期生!
第1部は経済学ディシプリンにそった10の経営理論が紹介されます
前半では、各理論の紹介と、それぞれの理論に相性のいい「競争の形」があるとし、産業組織論型競争とSCP、チェンバレン型競争とRBV、シュンペーター型競争とイノベーションの整合性が高いとの、めちゃめちゃ俯瞰された地図が指し示され、あとはこのテンプレートに自社の事業が持っている3つの競争の要素を想像すれば、何をするべきかという「考えるべき範囲」がガチャポンとでてくるという、便利この上ないまとめに繋がっていくのです
また、組織の経済学とその総本山と言える「ゲーム理論」が説明され、脳内活動が一気に日吉時代に回顧するにあたり、「中村くん元気かなぁ」とか「A羽くんとよくマリーンの3倍盛り食べてたなぁ」とか、あまり書籍の内容と関係ない若き日のフラッシュバックで脳が余計にスパークし、糖分を欲するような飢餓感すら生まれてきます
ちなみに、ゲーム理論の中でも特に好きなのは「同時ゲーム」と「逐次ゲーム」の差で、学生時代は理論的な例題を理解することで終了していたのが、経営学者達によって実際の企業間競争で行われた「ゲーム」の振り返りがあり、「じゃあ、自分達だったら何をやる」というのがイメージしやすいのが非常に面白い
日常の事業を俯瞰して見ると、「あ、今この判断はライバルと同時にしなきゃいけないな」とか「ブラフをカマしてもこのライバルとは長期に渡って競争していかなきゃいけないから、信用を優先したほうがいいな」とか、普段自分達が体験的にやってきたことを古今東西のインテリジェント達が論理立てて説明しているとかいうことを知ると、これからも真面目に生きていこう、という勇気が生まれます
経済学ディシプリンの最後に紹介される「リアル・オプション理論」は、日本では忌み嫌われる「不確実性」を「活かす」、つまり「リスクから逃げる」ではなく「リスクを乗り越える」なんなら「リスクを踏み台にして人を食い物にする」まで行きかねない信仰とも言えるでしょう
今の高齢者偏愛資本主義に囲まれた日本市場においては、官民問わずにいかにリスクと向き合う方向に自分達を追い込んでいけるかどうかということが、将来の世代の自由度を決定づけると思います
「リスキリング」という言葉をはやらせようとしている一味がウロチョロしているのかもしれませんが、道具や技術だけでなく、なんのためにそのスキルが必要なのかという「魂」の部分を鍛え直さないと、「和魂洋才」という自画自賛的に使われている四文字熟語が、21世紀においては自虐ネタになりかねない、と感じるわけです
で、本エントリーでは4部で構成される本書の1部までしか触れてませんが、気が向いたら/リクエストがあったら、続きもやってみようかと思います
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