「こんなご時世だからこそ、日本の歴史的名所名勝を多数みたい!」という先輩のお声に従って、未踏の地をみんなで踏み見聞を広めに行ってきました。
まずは京都まで移動して、「特急はしだて」に初乗車。残念ながら我々の一団で貸し切りとなってました。移動中、福知山城が見えました。
降車駅となった宮津駅。交通系ICは使えませんし、一両編成の電車のみの光景は新鮮。駅からレンタカーで日本三景の一つ、天橋立を、この歳になって始めて見ることができました。数日前は雨の予報だったので、曇とはいえ天気に恵まれたのは本当についていた。展望地からの眺めのあとは、降り立ってみて現物を歩いてみる。
俯瞰することで見えることと、仰視というか凝視というか、より細かく見つめることで見えることの差は、地形も人間関係も、プライベートも仕事も変わりませんね。これはまさに「仰視」です。
「相手の立場に立って考える」、口で言う・コンセプトとしては簡単ですが、意図的に自らの物理的な立ち位置を変えることは、頭でっかちな失敗を避けるための必要な訓練ではないでしょうか。虫の目で眺めたあとに、別の角度から俯瞰する。
同じものを見ていても、見る角度・見る時刻・見る人によって、見解は無限に存在する。だからこそ、現物現場の共有のみならず、見解のすり合わせを日頃から行っていることが、緊急時対応に備えるという視点からは重要だと改めて納得します。行きは陸路(くがじ)、帰りは海路(うみじ)。
見たこと無いぐらいの海鳥を伴っての移動、野生の生き物も環境対応しています。名勝を見学後は車で移動して名所、西村屋本館へ。多くの文豪にも愛された創業150年の老舗の純日本式旅館です。泉温62度か、いいなぁ。たまたまですが、今回の訪問先をNHKの番組で取り上げてました。年明けには天橋立が放送されるそうです。150年という歴史にあぐらをかくことなく、守るべきものは守り、改めるべきことは改める、その区別・判断がお客様と一致し続けてきた結果を身を持って体験することができました。
これもコンセプト・頭で考えることは簡単ですが、実践にあたっては数多くの試行錯誤・失敗の歴史を積み重ねてきたことでしょう。手数と時間が、この宿の「文化」を作っている。ぱっと見た時に何が繁盛の強みかわからない店舗は、総じて「凡事徹底」の実践度合いが「差別化」になっている。
「独自化」と「差別化」の違いを意識しながら実施することが、長寿企業・長く名所と呼ばれる所以であると、感じた次第です。