視察2日目。今日は街中で実際に使用されているサービスを体験もします。
出発前に「Alipay Tour Pass」をセッティング。
日本でも2019年に一気に知名度が上がったQR決済の本家本元。午前中は深センに拠点を構える2社様からのセミナー。ホテルには街中に設置されているモバイルバッテリーの充電ポスト。単にレンタル料で収益を上げるというより、個人の行動データを取るのが大きな目的となっている。
しかし、日本で5千円ぐらいで売られているバッテリーが数百円で売ってるこの街で、レンタルするより買ったほうが早いのでは?ホテル横のコンビニにも、別系列のバッテリーポストが設置されてます。そして支払いはWeChatPayとAlipayの2巨頭が展開し始めた顔認証。
中国ではQR決済は過去のテクノロジー。来年以降は顔認証決済が本格的に広がり始めます。在深セン企業のセミナー前に、(株)武蔵野様がここまで取り組んでいるデータドリブン経営(デジタル・トランスフォーメーション)への取り組みの一端を解説。
元々「情報」の取り扱いに長けている企業だからこそ、アナログ情報をデジタル情報に載せ替えていくというステップだけで前に進むことができる。
そもそもの「環境整備」ができていない企業がDXに取り組もうとしても、近道に見えて遠回りになるということを感じさせてもらいました。
続いて深センで日本企業向けにスタートアップ支援をされている株式会社ホワイトホール・佐々木取締役、店舗向けのマーケティングシステムを販売する毎日店のCEOのセミナー。
ここでも、大切なことは技術の高度さでなく、成果につながるかどうか、コストパフォーマンスがでるかどうかという話でした。しつこいぐらいにモバイルバッテリーシリーズ。アリババが出資しているデリバリーサービス。電動アシスト付き自転車でラストワンマイルを。びっくりするぐらいたくさん走ってる。無人「レストラン」。冷凍食品をロボットが温めて提供。ゴミを自動収集するテーブルと組み合わせて、「オフィスのテーブルでカップラーメン食べるよりはまし」需要を狙ってるらしい。オーダー画面はこんな感じ。自分のスマホでQRを読み込んで注文する。
Tencent近くにあるケンタッキーフライドチキンの無人販売カウンター。
顔認証システムはまだ一般的ではなく、写ってるお姉さんもQRで決済していた。市営の展示センターに入所している無人コンビニ。
入退場をいかに円滑にするかが課題。ショッピングモールでみかけたストローラー。この貸し出しもやはりスマホ。
「中国ではスマホ無いと何もできない」というのは、深センではリアル。アリババが運営するリアルスーパー。生鮮が充実しているが、ネットで注文すると店内にある商品をピッキングして配送してくれるサービス付き。決済は無人のPOSで。メイドサービスもやったり、「時間」を買いたい働き盛り世代を全面バックアップ(根こそぎ囲い込み)する環境づくりに取り組んでいる。
続いて日本の秋葉原みたいな電子製品街へ。Tencentの創業もこの場所だったそうで、細かーいパーツが建物内の露天みたいなところで売ってる。
ギーグにはたまらない場所なんだろうなということと、電子製品を作りやすい、製造業が育ちやすい街になっている。中にはこんな製品も。
片方が約18千円で、片方はその1/10の値段です。夜は街を上げてのイルミネーションショー。
40棟のビルが、政府のリーダーシップで音と光のショーを開催する。
まさに一党独裁、トップダウンの強みが遺憾なく発揮されている15分のショーでした。最後にホテル近くの「古い深センの街」にある屋台街を散策。
オートレーンの火鍋食べ放題や、やはり支払いはQR決済一択なところが深センならではだが、味は「中国」そのものを満喫させてもらえるものでした。
スピードと、成果へのこだわりは本当にすごい。
深センの労働者は「996(朝9時から夜9時まで、週6日勤務が普通)」という市場の中で、上昇意欲の高い人達が集まり、物的にも人的にもスピードで変革を実現しやすい環境ができあがっている街でした。
自社で大切にしていることをものすごいスケールとスピードでやっている感じです。また定点観測したい街が増えてしまいました。